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「doing things that don't scale」


 
シリコンバレーのシードアクセラレーターYCombinatorが大事にするワンフレーズだ。


「“スケールしない”ことをしよう」 Yコンビネーターに伝わる、たったひとつの起業哲学が奥深い
http://logmi.jp/30086


最初から意図した訳ではないのだが、僕たちはかなり徹底的に"スケールしないこと"をしてきた。
この観点でサービスローンチ前からの7ヶ月を振り返ってみる。



2015年6月にサービスをローンチする3ヶ月前のこと。
僕たちはプロダクトを一度壊した。
実はX-エックス-はオンライン上で誰でも登録ができるよくある「オープン」なサービスとしてプロダクトの創り込みをしていた。
然し、社内外で議論する中で大きな疑念が湧いた。

1対1で語り合うサービスなのに、UX(サービスを利用することで顧客が得られる体験)が低かったらそもそもサービスとして成り立たないのではないだろうか?

そこで、「オープン」から「クローズド」へ大きく舵をきった。
ちなみに、そこでサービス名も変えた。


ここで意味する「クローズド」とは、"対面での招待制"を意味する。
既存ユーザーに対面でサービスvisionの説明を受け、共感した人だけが招待を受けることができるという仕組みだ。


2015年6月。
ベンチャー経営者と語り合う「X-エックス-」をローンチした。
当然、最初のユーザーは0人から始まった。
僕の知人に声をかけ、話を聞いてもらうことからスタートした。

ここで基本的なルールを自らに課した。
「Willを大事にする」
つまり、登録して下さい!とはお願いしないこと。
共感して使ってみたいと思ってもらえたら、喜んで招待する。

6月の登録ユーザー数25名。


7月 41名(前月比+16名)
ここまではほぼ知人だった。
大体会って登録まで至る人は約半分。

8月 56名(同+15名)
この辺りから既存ユーザーから新たな方の紹介を受けたり、既存ユーザーが直接X-エックス-に新規ユーザーを招待してくるという流れになった。
また、外部のイベントに積極的に出て行くようになった。
X-エックス-のPRイベントFutureGateの開催を始めた。

9月 81名(同+25名)
既存ユーザーの方が良い人をたくさん紹介してくるようになった。
良質なイベントにも声をかけて頂くようになった。
ついに、転職/採用が1名決まった。

10月 98名(同+17名)
既存ユーザーからのX-エックス-への招待が増えてきた。
僕はその人達にも一人一人会いにいった。

11月 111名(同+13名)
ついに、100名を超えた。
新規ユーザーだけでなく、既存ユーザーにも会いにいくようにしていた。
転職/採用が1名決まった。

12月 123名(同+10名)
毎日のようにランチ・ディナーをしているが、1日1日の密度がハンパなく濃い。



そして、今。
1on1で会うことを続けるのは大変だ。
ただ、振り返ってみて愚直に続けてきて良かったと思う。

インターネットはコミュニケーション手段の一つにしか過ぎない。
リーチが広いという長所があるが、発信者(スタート)も受信者(エンド)もリアルな生身の人間だ。



僕は、「目の前の人間を愛せるサービス」でないと長続きはしないと思う。



今後、どこまで「スケールしないこと」を続けていくのかは分からない。
どこかで「オープン」にしても最も大事なvisionの共感が担保できるのであれば試してみる価値はある。

大事なことを見据えて意志決定をしていきたい。







それでは、Good Luck!